ジャズ漫画。これはいったいどういうものか、を字で説明するのは難しいんですが(苦笑)やってみましょう。
古式ゆかしき?トラッドジャズの世界に暮らす「ダッド(おじさん)」の、楽しいポートレイトや歌、日常生活のおかしな出来事などなどが、作者ルパート・ホルストのユーモアあふれる筆致で活写されています。作者5冊目の書籍になります。第一作目から顕著だったそのアブノーマルな雰囲気は、たんにオチを楽しむだけではなく、ギャグがオチた瞬間に、まったく違う世界観を体験させてくれるはず。
そう、深いんです。たんなる漫画、とあなどってはいられない。自虐的なアイロニーもそこかしこにちりばめられています。侮辱された、と思う人がいるかも?
でもそこには作者自身のジャズに対する深い愛が感じられるから、大丈夫。ジャズをこよなく愛する大人のための漫画です。
「ジャズには音楽を演奏する喜びのすべてがある」と喝破したのは、レナード・バーンスタインでした。本作をひもとけば、バーンスタインが言ったと同じ感動を誰もが味わえるはず。日本人であるわれわれが楽しむには、ちょっと英語の能力が必要なのが難点ですが…