1957~1962年にかけてレコーディングされた、ジャズ史上屈指とも言われる名盤「Miles Ahead」、「Porgy and Bess」、「Sketches of Spain」。これら一連のマイルス・デイヴィスのアルバムは、ギル・エヴァンスによるすばらしいオーケストレーションを含む画期的なジャズ・アンサンブル作品です。本書では、さらにもう2枚のアルバムを加えた計5枚の作品から代表的な曲をとりあげ、それらのフルスコアをあらゆる側面から徹底分析しています。
マイルス・デイヴィスは、言わずと知れたジャズ界を代表するカリスマ・トランぺッター。一方ギル・エヴァンスは、マイルスほどの知名度ではなくとも、’音の魔術師’と呼ばれ、今日のあらゆる音楽に欠かせない作/編曲スタイルを確立したひとりです。直近では、ライアン・トゥルースデルが、今は亡きギルの未発表作品を完成させてレコーディングした「ギル・エヴァンス・プロジェクト」が、2013年度のグラミー賞 (ジャズ・アレンジング部門) を受賞しました。
これまでにギルとマイルスに関するインタビューや伝記的な内容の記録は多数出版されていますが、本書はふたりの歴史的共演を音楽的に分析した画期的な解析書です。トランスクリプション (演奏の採譜) によるフルスコアに基づいており、さらに貴重なギル自筆の楽譜のスケッチも掲載しています。また、本来は学術論文として書かれたものであり、丹念で綿密な分析手法が特長です。作/編曲を志す音楽家には必携の一冊と言えるでしょう。
