超簡単! CDを聴いてシンプルな音とリズムを読み書きするだけ!
こんにちは、中島(木村)小百合です。今回おすすめする本は「やさしいイヤートレーニング」。バークリー生が「イヤトレ」と略し、入学試験でもクラス分けテストでも必ず出てくるイヤートレーニングとは、音楽理論を実際の音と結びつけるための「耳の訓練」のこと。メロディやコードの聞き取りや書き取り(聴音に近いもの)と、楽譜に書かれたメロディやリズムを声に出して歌う練習(初見に近いもの)の2つに大きく分かれます。
たとえばB♭キーのF7というコードがF、A、C、E♭の4音からできていて、G、Dの2音をテンションとして使うことができて、頑張ればG♭、G#、B、D♭なんて音もテンションとして使ったりもできると知っていても(ドミナント7コードで使えるナチュラル・テンションは9thと13th、オルタード・テンションは♭9th、#9th、#11th、♭13thですね…って、このへんで頭が真っ白になってしまった人はここの段落を読み飛ばすか、「ジャズ&ポップスのための基礎音楽理論」や「ザ・ジャズ・セオリー」を読んでみましょう☆楽しいですよ)、コード・プログレッション(コード進行)のわからない曲をセッションしていて、ドミナント7thコードが聞こえてきたから♭9thをソロに入れてみる、という芸当ができるようになるためには「ドミナント7thのサウンド」と「ルートからどれぐらい離れた音が♭9なのか」という2つが瞬間的に分かるようになる必要があるわけです。
イヤートレーニングとは、ドレミファソラシド(と、それぞれの音にシャープとフラットをつけたもの)の各音が「ド」からどれくらいの距離で離れているかを体感する練習から始まります。イヤートレーニングでは相対音感を鍛えるため、ここで言う「ド」とは移動ドのドです。
たとえば。
レ ド ミ ファ ソ ド ミ レ
ミ ファ ド ソ レ ミ ファ ソ
というメロディを、E♭音から歌うことができるようになる練習をします。(本書「やさしいイヤートレーニング」では、ドレミファソラシドの7音だけを扱います)
また、ディクテーションと呼ばれる書き取りセクションでは、付属CDに収録されたトラックを聞きながら、4分音符/休符、8分音符/休符、16分音符/休符の混ざった音源を楽譜に書き起こします。聞こえてくる音がどのように楽譜の中に収まるのかが分かるようになると、さまざまな楽器がどのようなリズムとハーモニーの組み合わせを作りながら1つの音楽を作り上げているのかという大きな地図がすこしずつ見えるようになってきます。
ざっくりまとめると、イヤートレーニングを続けることであなたの耳には音楽GPSが備わり、音楽の緯度(楽譜内の垂直の動き…音の高さと和音の響き)と経度(楽譜内の水平の動き…リズムとグルーヴ)が分かるようになり、ひいてはさまざまな目的地(ファンク、スウィング、ラテン…)に行きたいと思ったときに的確な緯度(ヴォイシングやフレージング)と経度(リズムの組み合わせとグルーヴ)が分かるので、性能のいいナビになってくれるということです。
本書「やさしいイヤートレーニング」はイヤートレーニングの超入門書ですが、巻末に進むにつれてホネのある問題も出てきます。初心者から中級者の方であれば、相当楽しく練習に取り組んでいただけるのではないでしょうか。
ちなみに「俺は初心者ではない」という猛者の皆さんには「イヤー・トレーニング Vol.1」をお勧めします。相当お腹いっぱいになる内容です。
あなたの音楽を楽譜の縛りから解き放つには、楽譜について徹底的に知るしかありませんからね。あなたの音がさらなる進化を遂げますように、心からお祈りしています。