サックス・カルテット(SATB)用。中級者、上級者向け。
モーリル・ラヴェル作曲の「ボレロ」は、おそらくもっとも数多く演奏される管弦楽曲のひとつでしょう。1928年の7月~10月にかけて作曲されたこの楽曲は、舞踏家イダ・ルビンシュタインに献呈されたものです。1928年11月にパリ・オペラ座で初演された本作は、またたく間に人気を博しましたが、作曲者のラヴェル本人はこの作品にはとても冷淡でした。あるときラヴェル自身が友人のアルチュール・オネゲルにこう語った言葉が伝えられています。「私の代表作といえば、ただひとつ、それはボレロだ。だけどそこには音楽のかけらもない」
このサックス四重奏のためのアレンジは、編曲者自身が「これまでに手がけてきたもののなかで最高のもの」と自負するだけあって、原曲よりもずっと短くかりこまれていながら、そのエッセンスを見事に凝縮した名編曲になっています。AとBふたつのメロディがそれぞれ二回づつ(AABB)繰り返すのを4セット繰り返し、その間にさまざまな楽器の組み合わせでさまざまな音色を楽しめる原曲に対して、サックス4本だけの組み合わせで誰しもが「限界がある」と感じるはずですが、短いながらそのすぐれたアレンジのアイディアはおそらく観客を圧倒するはず。コンサートのフィナーレに最適な一曲です。