サックス・カルテット(SATB)用。中級者向け。
不世出のタンゴ歌手であり、俳優としても活躍していた作曲者カルロス・ガルデル(1890-1935)は、アストル・ピアソラ以前にタンゴ界を代表していた「偶像」的存在でした。彼にまつわる様々な書籍、そしてインターネットのウィキペディアをひもとけば、その数奇な運命に彩られたタンゴ歌手・俳優としての人生がつまびらかにわかります。
本作は、アメリカで1934年に公開された同名の映画(タイトルの意味は「下り坂」を意味するのが、その前年に航空機事故で不慮の死を遂げた彼の人生を象徴するようです)の主題歌で、映画も彼の代表作として知られています。作曲者ガルデル自身を思わせるタンゴ歌手の主人公は、ブエノス・アイレスとパリというふたつの世界都市のあいだで、また、ふたりの女性との間で引き裂かれ、苦悩の人生を送る…というのがそのあらすじ。このサックスのための編曲では、それぞれの楽器が主題となる旋律をかわるがわるにつむぎだします。
スコアにある{}印は、その部分で主旋律を奏でるべき楽器を示しています。