クラリネット2本のデュオ(ピアノ伴奏付)。
CDには模範演奏とカラオケが収録されています。高名なキューバのリュート奏者で、あの「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」にも登場しているバルバリート・トーレス氏に献呈された作品。19世紀の典型的なキューバのダンス音楽である「コントラダンツァ」をベースにしたもの。これは、南米音楽のルーツでもあるヨーロッパ音楽のなかではフランスの「コントルダンス」に源流をもつものです。さらにいうとこれ、イギリスの「カントリーダンス」にまでつながるもの。しかしこの場合「田舎」という意味よりも「対の踊り」」的な意味あいが強く、要するに田舎の善男善女の踊り、というより、対照的な性格をもつ2つの部分で構成されるダンス音楽です。
基本になっているのはシンクィーロ(cinquillo)という、キューバ音楽特有のリズム形を思わせる楽曲で、おおもとのやりかたではいわゆるインプロヴァイズなどはありません。しかしこの楽曲の中ではソンモントゥーノ(これもキューバ特有の心地よいリズム形です)にのって展開する部分では、思わずインプロヴァイズしたくなるようなノリがなんともかっこいい!
この楽譜で美味しいのは、いかにもキューバなコントルダンス!と呼べる、「対」の妙味。2本のクラリネットで交互に吹いてかっこよく決まるような、いくつかのインプロヴァイズ例が記されています。フレーズとリズム形が、いかにもキューバ!という雰囲気を自然にわからせてくれるので安心です。それに慣れてから、ご自分のノリで自由に楽しめる…そんな、大人のためのデュオです。