本書を執筆するにいたった最大の理由に、ハーモニーのあるなしに関わらず使うことのできる新しいテクニック、ライン、リズミック・パターンなど、ヴァイオリン・インプロヴァイザーにひと味違ったマテリアルを提供したいという気持ちがありました。
ジャズ・ヴァイオリン界では、クラシック的なスキルが確立されていないプレイヤーを多く目にします。 本書ではそのクラシック・テクニックをジャズのコンテクストに応用し、ジャズ・ヴァイオリニストのステップ・アップに活用できる内容となっています。 パートIではスケールの練習方法と、そのスケールをインプロヴィゼイションに活かす方法について説明します。 コンサート・エチュードおよびコンサート・ピースは、私自身がインプロヴァイズするときに使うテクニカル・マテリアルを集めたものです。個々のテクニックをヴァイオリンで習得するエクササイズとしてだけではなく、実際の作品やインプロヴィゼイションの中でこれらのエクササイズを活用する方法についても解説します。
本書は、ストリング・プレイヤーのインプロヴィゼイションを包括的に学ぶ本ではありません。 ストリング・プレイヤーの想像力にさらなる可能性をもたせ、ソロやグループ・インプロヴィゼイションで使うことで新しい楽器の演奏方法を見出せるようなテクニックを提供したいのです。
すぐれたインプロヴァイザーがみな持っている共通点の1つに、 彼らはこんにちの音楽スタイルに応じた自分なりのランゲージ(特定の音楽スタイルで言葉のように頻繁に使われる、リズミック、メロディック、ハーモニックな要素)を創りだすことができるというものがあります。本書のマテリアルを学ぶことで、あなたのプレイヤアプローチにも変化が見えてくるのではないでしょうか。
※本文はドイツ語、英語の両方で表記されています。