サックス・カルテット(SATB)用。中級者向け。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト「 セレナード第10番変ロ長調『グラン・パルティータ』フィナーレ」
1840年代、サクソフォーンが発明されました。さまざまなスタイル、さまざまな作曲家による音楽を演奏したいと願う現代のサクソフォニストにとって、トランスクリプションは有益なものとなりつづけています。それゆえ、トランスクリプションはサクソフォーン・レパートリーの大きな役割を占めるようになりました。
トランスクリプションの出典のひとつに、クラシック時代の管楽があります。 モーツァルトによって1780年代はじめに書かれた、セレナード第10番変ロ長調『グラン・パルティータ』フィナーレは、オーボエのペア、クラリネット、バセット・ホルン、バスーン、さらに4本のホーンとダブル・ベースのためのものでした。 この作品はのちに、8人のウィンド・プレイヤーによって演奏されます。 セレナードはまた「グラン・パルティータ」とも呼ばれ、屋外演奏用の音楽というニュアンスを持っています。
サクソフォーンは本来「フランスのミリタリー/マーチング・バンドのような大所帯の木管楽器隊に代わるもの」というアイディアがあったため、技術的にも高いレベルを要求するこの作品をサクソフォーンに演奏させるという名案は功を奏したのではないでしょうか。
フィナーレをトランスクライブする際、ふたつのことを頭に置いていました。 ひとつには、アーティキュレーション、ダイナミクスの記号を最小限に抑え、煩雑になりすぎない譜面づくりを心がけました。演奏者自身が、あなたの解釈で演奏できるように凝らした工夫です。 作品の冒頭にあるアーティキュレーション・マークは、ひとつの提案として付記しました。
ふたつめに心がけたことは、ひとつのソロパート(たとえば、ソプラノ・サクソフォーン)だけをフィーチャーするのではなく、メロディがすべてのプレイヤーに与えられるようにすることです。 モルト・アレグロのロンドであるフィナーレは、その快活な魅力とウィットで、あなたのステージをきらめかせるでしょう! 会場が屋内・屋外であるに関わらず、サクソフォニストはモーツァルトの音楽にあふれる軽やかさ、優美さを保つ努力をすることが重要です。