もしあなたが、アグスティン・バリオス・マンゴレのことをよく知らないのなら、ぜひ本書から始めましょう。バリオス(1885~1944)はパラグアイの出身で40年にもわたって南米各地とヨーロッパで演奏ツアーを続けた流浪のギタリストです。
バリオスは不遇のまま亡くりましたが、他ならぬ本書の著者リコ・ストーヴァーが、南米ギターの研究の中心としてバリオスの曲を多数発掘し、これを出版によって紹介しました。特に彼の協力によって生まれたジョン・ウィリアムスのバリオス作品集(1978)は歴史的なアルバムとなり、以来バリオスの作品は著名なギタリストたちにとって欠かせない重要なレパートリーとなりました。バリオスの逸話は多数ありますが、セゴヴィアの奏法や解釈、ヴィラ=ロボス、ポンセらに大きな影響を与えたことは事実として知られており、ギタリストとしても作曲家としても天才的な人です。
本書に収録された曲はよく演奏される曲の一部にすぎませんが、バリオスの魅力に触れるには十分で、とりあえずこれ一冊ですばらしい演奏が聴け、楽譜に弱い人もタブ譜で演奏にチャレンジできます。 CDのすばらしい演奏とともに、バリオスの魅力をたっぷり楽しみましょう。