ギタリストにとってのペンタトニック・スケールとは、おもにブルースやロックでソロを弾く際に使用する「便利な」(とりあえずこれを使っておけば間違わない)ツールとして認識されていると思います。ではなぜ、メジャー・スケールやドリアン・モードではなく、ペンタトニック・スケールが重宝されるのでしょうか。
ペンタトニック・スケールという名前は、penta(英語で5という意味)からという単語からも分かるように5音のスケールという意味ですが、通常の7音スケールよりも2音少ないがゆえに、使用するハーモニーに細部まで一致していなくてもよい、という使い易さも理由の一つでしょう。さらに、指板上に5音のダイアグラムとして視覚的に認識し易いのもギタリストにとってはアドバンテージではないでしょうか。一般的にペンタトニック・スケールとは、多くの民俗音楽にもあるように、とてもカラフルで、安定感があり、その5音だけをランダムに弾いても、その存在感で何かを語っているように感じるはずです。メジャー・スケールやマイナー・スケールで同じことをすると、何を言いたいのかわかりにくくなったり、雰囲気が曖昧になってしまうことがあるでしょう。
本書では、ブルースやロックなどのシンプルで動きの少ないコード・チェンジではなく、複雑なハーモニーと頻繁に動くコード・チェンジに対応できるよう、様々なペンタトニック・スケールの使用法を学んでいきます。また、メジャーやマイナーのペンタトニック・スケールだけではなく、メロディック・マイナーの5番目のモードから生まれた「メジャー♭6ペンタトニック」など、あまり馴染みのないサウンドを、比較的容易に使えるようになるのも本書の大きな魅力でしょう。
ギタリストとってのアドバンテージである、「視覚的に認識し易い」こと、そしてペンタトニック・スケールの特徴である「ランダムに弾いても意味を感じる」という両方の利点を活かしながら、新しいサウンドに挑戦してみてください!
監修者:イシイタカユキ
