近年最も注目されているジャズ・コンペティションといえば、セロニアス・モンク・コンペティション(通称モンク・コンペ)であり、ジョシュア・レッドマンをはじめ錚々たるメンバーを輩出している。Tedは、そのモンク・コンペで優勝し、そのとき審査員をしていたBarry HarrisやTommy Flanaganに絶賛されたという気鋭のピアニストだ。技術的にハイレヴェルなのはもちろんのこと、音楽的な深みを感じさせるのは、やはりクラシックからジャズまで並外れて幅広いバック・グラウンドを持ち、しっかりとトラディションに根ざしているためだろう。
しかしこの人の本当に凄いところは、そのコンテンポラリーさ加減。伝統を大事にしつつも、何か新しくて自分らしいスパイスを効かせてくる。
本アルバムはモンクの曲とTedのオリジナル曲が半々ずつなのだが、オリジナル曲のクォリティーが非常に高く、これぞコンテンポラリー・ジャズ!といえる内容。ツボを押さえています。
Tedのピアノはソロでもコンピングでも切れ味抜群。さらにフィーチュアされるのがコンテンポラリー系トランぺッタ-の代表格Tom Harrellで、しかもTedは曲創りの段階からTomのサウンドをイメージして作曲したとのこと。どうりでハマってます。
Tomのソロはとにかくフレージングがカッコイイので、管楽器プレイヤーの皆さんは要チェック! そしてモンク・チューンはトリオでの演奏。個性の強い原曲のイメージを大事にしているのがよくわかりますが、やはりTed節が炸裂。ラフマニノフがモンク・チューンを弾いてるような感じ!とでもいいましょうか。
脇を固める2人(Ron CarterとBilly Higgins)もタイトで良いです。Billyのブラシ・ワークはいつ聴いてもたまりません!というわけで、すでにTed RosenthalやTom Harrellのファンという方はもちろん、Kenny WernerやBrad Mehldauあたりが好きな方、コンテンポラリー・ジャズ好きの方に非常にオススメの1枚です。