ソプラノサックス(またはアルトサックス)独奏とピアノ伴奏。インプロヴァイズ部分は模範演奏例が表記されている。中級者、上級者向け。
パキート・デリヴェイラに献呈された作品。
ここには、過去から現在に至るキューバ音楽史にその名を残す達人に対する作曲者の畏敬の念がこめられています。パキート・デリヴェイラは特にサックスとクラリネットの演奏において当代を代表する達人のひとりで、演奏や作曲のみならず、クラシックとジャズ両方の世界に通暁する名手として、あらゆるジャンルのプロフェッショナルからお手本としてあがめられている存在です。
作品は4つの部分(アレグロ・モデラート、レント、ラルゴ、アレグレット&アレグロ・コン・フオーコ)で構成されています。ジャズとクラシックの要素を混合した作品で、第一楽章と第四楽章には、キューバ音楽で「トゥンバオ」と呼ばれるリズムパターンの上で繰り広げられるインプロヴィゼーションの場面も用意されています。
第二楽章は、短いレシタティーボ(リズムなしで自由に演奏される部分)で始まり、現代音楽をおもわせるフレーズが続きます。主部はアフロ・キューバンなリズムが雰囲気を形成し、やがて、最初の雰囲気にもどっていきます。
第三楽章は、旋律も伴奏も、ある種の「軽み」と静けさをもって表現するように書かれています。カデンツァも用意されていますが、かかれたものをそのまま演奏してもよし、自分のおもうままのインプロヴァイズを演奏するのも楽しいです。
第四楽章は、ある種のスピリチュアルなエネルギーが溢れています。サックスとピアノの激しい応酬、ここではインプロヴァイズもジャズのフレーズもまったく放棄されてしまいます。最後はピアノとの大ユニゾンで曲は閉じられます。